



「学生のための観劇プログラム」座談会に見る、観客の「多様な解釈」の豊かさ
芸術は、作り手“だけ”のものではない。作品は、見られてナンボ。観客の目が、その成熟こそが作り手を、作品を、そのジャンルを下支えしているのである。
「東京芸術祭」では、2019年度より若い観客の育成を目的とした「学生のための観劇プログラム」を実施している。昨年(2020年)に開催された東京芸術祭2020では、コロナ禍における舞台芸術活動の取り組みに触れ、考え、交流する機会を提供することを目標に、演劇に関わる学生たちを主な対象とした観劇プログラムを展開した。参加した学生は300名を超える。
学生たちは、公演主催団体の協力により、対象作品である『NIPPON・CHA! CHA! CHA!』『真夏の夜の夢』『フィガロの結婚』『紫気東来ービッグ・ナッシング』『汝、愛せよ』を特別料金で観劇。その後、作り手たちや学生同士で意見を交換することで、作品への理解を深めた。「学生のための観劇プログラム 特設サイト」にまとめられた座談会やレクチャーなどの様子からは、その充実ぶりと熱気が伝わってくる。…