東京芸術祭2019 総合ディレクター 宮城聰 メッセージ

東京2020がいよいよ近づいてきました! でも本当に「平和の祭典」になるでしょうか?
世界ではここ数年、面倒なことがあったらチカラで黙らせる、という昔ながらの手法が幅をきかせているようです。チカラ、つまり軍事力や経済力ですね。確かにチカラによって相手を黙らせることはできるでしょう。でも黙らせられた側は、チカラをふるった側を尊敬することはありません。深く恨むだけです。それが人間というものですよね。
で、こんな世界規模の渦の中で僕らにできることが何か残っているとしたら、ここはやっぱり「多様性」のメリットをアピールするしかないのでは、と思うのです。ひとつの物差しで全部を測るのではなく、こんな物差しもあるヨ、とどんどん物差しを増やしてゆく。その先には、他者の物差しへの関心が生まれるでしょう。「こういうものを大事にする人たちもいるんだなあ!」と。
東京芸術祭もその一助になれるようがんばります。今年からは、物差しを増やすことの面白さをダイレクトに実感していただける「ワールドコンペティション」も始めます。(来年が平和の祭典になることを強く願いながら!)
私たちのジタバタに少しでも関心を持っていただければ幸いです。

国内、海外の多彩な舞台芸術作品が東京に集結!
国内外の話題作、国際共同 制作や伝統芸能公演、野外 公演など舞台芸術の多様 な表現を一挙上演!

 

開催概要

名  称:東京芸術祭2019 (英語名称:Tokyo Festival 2019)
会  期:2019(令和元年)年9月21日(土)~ 11月23日(日)
会  場:東京芸術劇場、あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)、東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)※11月オープン、池袋HUMAXシネマズ、シアターグリーン BIG TREE THEATER、東池袋中央公園 ほか

 

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東京芸術祭 総合ディレクター

【写真】©Ryota ATARASHI

宮城聰(みやぎ・さとし)

静岡県舞台芸術センター芸術総監督。東京芸術祭総合ディレクター。東アジア文化都市2019豊島舞台芸術部門総合ディレクター。東京大学で小田島雄志・渡辺守章・日高八郎各師から演劇論を学び、1990年ク・ナウカ旗揚げ。国際的な公演活動を展開し、同時代的テキスト解釈とアジア演劇の身体技法や様式性を融合させた演出で国内外から高い評価を得る。2007年4月SPAC芸術総監督に就任。自作の上演と並行して世界各地から現代社会を鋭く切り取った作品を次々と招聘、またアウトリーチにも力を注ぎ「世界を見る窓」としての劇場運営をおこなっている。2017年『アンティゴネ』をフランス・アヴィニョン演劇祭のオープニング作品として法王庁中庭で上演、アジアの演劇がオープニングに選ばれたのは同演劇祭史上初めてのことであり、その作品世界は大きな反響を呼んだ。他の代表作に『王女メデイア』『マハーバーラタ』『ペール・ギュント』など。2006〜2017年APAFアジア舞台芸術祭(現アジア舞台芸術人材育成部門)プロデューサー。2004年第3回朝日舞台芸術賞受賞。2005年第2回アサヒビール芸術賞受賞。2018年平成29年度第68回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2019年4月フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。

プランニングチーム

東京芸術祭は 2018 年より、宮城聰総合ディレクターと各事業のディレクター7人が協働する「プランニングチーム」によって展開されています。

宮城聰(みやぎ・さとし)/総合ディレクター

プロフィールは上記掲載

河合千佳(かわい・ちか)

フェスティバル / トーキョー 共同ディレクター

武蔵野美術大学卒。劇団制作として、新作公演、国内ツアー、海外共同製作を担当。企画製作会社勤務、フリーランスを経て、2007 年、NPO 法人アートネットワーク・ジャパン(ANJ)入社、川崎市アートセンター準備室に配属。「芸術を創造し、発信する劇場」のコンセプトのもと、新作クリエーション、海外招聘、若手アーティスト支援プログラムの設計を担当。また同時に、開館から 5 年間にわたり、劇場の制度設計や管理運営業務にも携わる。2012 年、フェスティバル / トーキョー実行委員会事務局に配属。日本を含むアジアの若手アーティストを対象とした公募プログラムや、海外共同製作作品を担当。また公演制作に加え、事務局運営担当として、 行政および協力企業とのパートナーシップ構築、ファンドレイズ業務にも従事。2015 年度より副ディレクター。2018 年度より共同ディレクター。日本大学芸術学部演劇学科非常勤講師(2017 年~)。

杉田隼人(すぎた・はやと)

としま国際アート・カルチャー都市発信プログラム ディレクター

公益財団法人としま未来文化財団  事業企画課事業企画グループ

民間企業、公立ホール、ヨコハマトリエンナーレ 2011 PR 隊「ヨコトリキャラバンズ」事務局等での制作を経て、2012年より同財団に在職。現在までに「としま能の会」「民俗芸能 in としま」「ジュニア・アーツ・アカデミー狂言コース」「伝統芸能 in 自由学園明日館『獅子の祝祭』」などを担当。2016年より東京芸術祭参加作品「大田楽 いけぶくろ絵巻」を企画制作。南池袋公園を中心に、池袋の街中で上演、コスプレイヤーとのコラボレーションも話題となった。伝統芸能分野における新たな観客層の創出に努めている。

多田淳之介(ただ・じゅんのすけ)

APAF-アジア舞台芸術人材育成部門 ディレクター

1976 年生まれ。演出家。東京デスロック主宰。古典から現代戯曲、ダンス、パフォーマンス作品まで現代社会の当事者性をフォーカスしアクチュアルに作品を立ち上げる。子どもや演劇を専門としない人とのワークショップや創作、韓国、東南アジアとの海外コラボレーションなど、演劇の協働力を基にボーダーレスに活動する。2010年より富士見市民文化会館キラリふじみ芸術監督に公立劇場演劇部門の芸術監督として国内歴代最年少で就任、2019年3月まで3期9年務める。2014年「가모메 カルメギ」が韓国の第50回東亜演劇賞演出賞を外国人として初受賞。青年団演出部。四国学院大学、女子美術大学非常勤講師。東アジア文化都市2019年豊島舞台芸術部門事業ディレクター。

内藤美奈子(ないとう・みなこ) 

芸劇オータムセレクション ディレクター

東京芸術劇場 制作担当課長

プロデューサー。東京大学文学部卒業。1985 年よりパルコ劇場にて、1998 年よりホリプロ・ファクトリー部にて、2010 年より東京芸術劇場にて、演劇・ダンス・ミュージカル・国際共同制作等の企画制作、海外公演の招聘などに従事。手がけた主な作品に、「THE BEE English Version」(野田秀樹作・演出)世界 10 都市ツアー、「トロイアの女たち」(蜷川幸雄演出/東京芸術劇場・テルアビブ カメリ劇場共同制作)、「おのれナポレオン」(三谷幸喜作・演出)、「リチャード三世」( シルヴィウ・プルカレーテ演出 )、「ラヴ・レターズ」(青井陽治演出)、ミュージカル「ファンタスティックス」(宮本亜門演出)、「タデウシュ・カントール&Cricot2 “くたばれ芸術家 ”“ 私は二度と戻らない ”」、ブロードウェイ・ミュージカル「CHICAGO」、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー公演など。 桜美林大学非常勤講師。

長島 確(ながしま・かく)

フェスティバル / トーキョー ディレクター

1969年東京生まれ。立教大学文学部フランス文学科卒。大学院在学中、ベケットの後期散文作品を研究・翻訳するかたわら、字幕オペレーター、上演台本の翻訳者として演劇に関わる。その後、日本におけるドラマトゥルクの草分けとして、さまざまな演出家や振付家の作品に参加。近年はアートプロジェクトにも積極的に関わる。参加した主な劇場作品に『アトミック・サバイバー』(阿部初美演出、TIF2007)、『4.48 サイコシス』(飴屋法水演出、F/T09 秋)、『フィガロの結婚』(菅尾友演出、日生オペラ 2012)、『効率学のススメ』(新国立劇場、ジョン・マグラー演出)、『DOUBLE TOMORROW』(ファビアン・プリオヴィル演出、演劇集団円)ほか。主な劇場外での作品・プロジェクトに「アトレウス家」シリーズ、『長島確のつくりかた研究所』(ともに東京アートポイント計画)、「ザ・ワールド」(大橋可也&ダンサーズ)、『←(やじるし)』(さいたまトリエンナーレ 2016)など。東京藝術大学音楽環境創造科特別招聘教授。

根本晴美(ねもと・はるみ)

としま国際アート・カルチャー都市発信プログラム  ディレクター

あうるすぽっと ( 豊島区立舞台芸術交流センター )  チーフプロデューサー

早稲田大学卒業後、劇団四季に社員として入社。翌年ニューヨーク大学大学院パフォーマンススタディーズ専攻へ留学。帰国後は、こどもの城に併設されていた青山劇場・青山円形劇場事業本部で、演劇・舞踊や子どものための舞台芸術の企画制作、またローザンヌ国際舞踊コンクール東京開催事務局、海外共同制作ミュージカルなどに携わる。1996年世田谷パブリックシアター開設準備室に入室。初の創造発信型公共劇場のプロデューサーとして、演劇、ダンス、子どもプロジェクト、ワークショップの企画制作、地方公共劇場との連携事業などを 19 年間手掛け、劇場のステイタスの確立に貢献。2016年4月より現職。

横山義志(よこやま・よしじ)

東京芸術祭国際事業 ディレクター

東京芸術祭ワールドコンペティション ディレクター

1977年千葉市生まれ。中学・高校・大学と東京に通学。2000年に渡仏し、2008年にパリ第10大学演劇科で博士号を取得。専門は西洋演技理論史。2007年から SPAC-静岡県舞台芸術センター制作部、2009年から同文芸部に勤務。主に海外招聘プログラムを担当し、二十数カ国を視察。2014年からアジア・プロデューサーズ・プラットフォーム(APP)メンバー。2016年、アジア・センター・フェローシップにより東南アジア三カ国視察ののち、アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)グランティーとしてニューヨークに滞在し、アジアの同時代的舞台芸術について考える。学習院大学非常勤講師。論文に「アリストテレスの演技論 非音楽劇の理論的起源」、翻訳にジョエル・ポムラ『時の商人』など。舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)理事、政策提言調査室担当。

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