ファーム ラボ

Farm-Lab Exhibition パフォーマンス試作発表『Education (in your language)』

コモングラウンドを仮設する

  • パフォーマンス
  • ファーム
  • ラボ
  • 人材育成
  • 国際

2021年度 城崎国際アートセンター アーティスト・イン・レジデ ンス プログラム y/n『カミングアウトレッスン』試演会 城崎国際アートセンター(2021) 撮影:bozzo

終了

・予約受付開始:9月17日(土)10:00
・託児施設(詳細は東京芸術劇場託児サービス情報をご覧ください)
https://www.geigeki.jp/access/support.html

公演終了
ディレクター:y/n(橋本清+山﨑健太)
パフォーマー:
ディア・ハキム・K. ー シンガポール(シンガポール)
クリスティ・ライ ー 台北(台湾)
シ グ ロ ー マニラ(フィリピン)
橋本清(y/n) ー 東京(日本)

コモングラウンドを仮設する。

演出家・俳優の橋本清と批評家・ドラマトゥルクの山﨑健太によるユニットy/nは、パフォーマーと観客の間に横たわる関係性を揺さぶり、問い直すレクチャーパフォーマンスを発表してきました。
今作では「教育」をテーマに据え、アジアを拠点に活動する、それぞれ異なる社会的・文化的背景をもつ3名の出演者と共に、初の国際共同制作に取り組みます。創作の過程では、y/nの二人や出演者がそれぞれ体験してきた「教育」や、それを支える社会的な制度や習慣を相互にシェアし、ディスカッションを重ねることで「教育」についての新たな視点や考え方を探究していきます。そして、それをもとにテキストを構成・編集(そしてときにフィクションに加工)することで上演台本を作っていきます。

このパフォーマンス試作発表を通して、観客一人ひとりが「教育」を捉え直す場となることを目指しています。そのフィードバックの一つひとつを得ることで今作は変化し、発展してゆくのです。

ディレクターコメント

「教育」をテーマに新作パフォーマンスをつくります。y/nがこれまでにつくってきた作品はすべてレクチャー・パフォーマンスと呼ばれる形式で上演され、公演後には毎回、y/nと観客との間でQ&Aの時間も設けてきました。「レクチャー(パフォーマンス)」や「Q&A」という形式はもちろん「教育」と強い結びつきを持っていて、その意味ではy/nはずっと「教育」について考えてきたとも言えるかもしれません。しかしここでの「レクチャー(パフォーマンス)」や「Q&A」は一方的な「正解」の伝達を意味せず、観客とのやりとりを通じて作品もy/nも変化してきました。教育には情報伝達の側面がありますが、単に情報を伝達するだけでは縮小再生産に陥ってしまうはずです。そうならないのであれば、そこでは何が起きているのか。優れたパフォーマンスもまた、情報伝達(たとえば「反戦」や「反差別」といったメッセージを伝える)以上の何かを上演の場において生じさせるものです。教育について考えることとパフォーマンスについて考えることは(少なくともy/nにとっては)ダイレクトにつながっています。今回の新作では形式をレクチャー・パフォーマンスに限定するつもりはありませんが、観客とどのように、どのような関係を結べるのかということについては引き続き、出演者の方と一緒に考えたいと思っています。
今回の創作ではy/nが構成・演出を担当しますが(橋本は出演もする予定)、作品の素材やアイディアは出演者とy/nとの話し合いのなかから見つけていくつもりです。それぞれが体験してきた「教育」、それを支える社会的な制度や習慣、それらについて考えてきたこと。異なる文化的背景を持つ私たちが話し合うことで「教育」についての新しい視点が得られることを期待しています。クリエイションの過程と作品の上演を通して、y/nと出演者が、アーティストと観客が、互いに影響を与え、変化していくことのできる場をつくり出せますよう!
y/n(橋本清+山﨑健太)

ディレクター

y/n(橋本清+山﨑健太)

2019年結成。演出家・俳優の橋本清と批評家・ドラマトゥルクの山﨑健太によるユニット。リサーチとドキュメンタリー的手法に基づいて私的な領域の事柄を社会構造のなかで思考するパフォーマンス作品を発表している。ユニット名はyes/noクエスチョンに由来し、二項対立や矛盾、答えに達する以前の状態を意味する。これまでの作品に男性同性愛者のカミングアウトを扱った『カミングアウトレッスン』(2020)、セックスワーカーと俳優の仕事を扱った『セックス/ワーク/アート』(2021)、日本における手品の歴史を扱った『あなたのように騙されない』(2021)がある。

橋本清(はしもと・きよし)

東京(日本)
1988年生まれ。演出家/俳優。日本大学芸術学部演劇学科演出コース卒業。2007年、ブルーノプロデュースを立ち上げ。2012〜15年、坂あがりスカラシップ対象者。近年の演出作品に青年団リンク キュイ『景観の邪魔』(2019)、青年団若手自主企画 櫻内企画『マッチ売りの少女』(2020)。出演作に小田尚稔の演劇『是でいいのだ』(2016〜22)、生西康典『棒ダチ 私だけが長生きするように』(Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13「TOKYO REAL UNDERGROUND」川口隆夫ディレクション企画「舞踏 ある視点」)(2021)、お布団CCS/SC『夜を治める者《ナイトドミナント》』(2022)。

山﨑健太(やまざき・けんた)

東京(日本)
1983年生まれ。批評家/ドラマトゥルク。演劇批評誌『紙背』編集長。主な批評に「現代日本演劇のSF的諸相」(『SFマガジン』連載、2014年2月〜2017年2月)、「『かっこいい』だけではない三島へ——近年の上演から」(『文學界』2020年12月号)など。2017年度、国際交流基金アジアセンターの人材育成プログラム「Next Generation: Producing Performing Arts 次世代舞台芸術制作者等育成事業」に参加。WEBマガジンartscapeで舞台芸術を中心としたレビューを連載中。

パフォーマー

@crispiphotos on Instagram

ディア・ハキム・K. 

2002年生まれ。パフォーマー、作家、劇作家。ナンヤン芸術アカデミーで演劇のディプロマ(イギリス演劇)を取得したほか、シンガポール・レパートリーシアターのヤング・カンパニー・プログラムで学ぶ。その作品はマレー性、セクシュアリティ、ジェンダー、信仰、家族の交錯点に立っている。作家として、プレイライト・コミューンと共同で制作し、アーツイクエーター、クリティックズ・サークル、ザ・セカンド・ブレークファースト・カンパニーなどの団体とコラボレーション活動をしてきた。また、パフォーマンスでのコラボレーションにはテアター・エカマトラ、パンデモニウム、シンガポール国立博物館などとのプロジェクトがある。

photo: 林淞

クリスティ・ライ

1991年生まれ。ナショナル・ユース・シアター(ロンドン)が2016年夏に開始したインターナショナル・プログラム第一期の卒業生。10年あまりにわたってモノドラマの訓練と上演を続けており、また、デバイスド・シアター、イマーシブ・シアター、環境演劇の分野でも活動している。
最近の参加作品には、国家両庁院「アイデア実験ラボ」選出作品『百年の囚』(2018年発表の『夜長夢多』の発展的作品)やDPK『ダンス・フォー・ミー』でのダンス・プロポーザルの発表などがある。

@Ocs Alvarez

シ グ ロ

1992年生まれ。人形劇、ゲームパフォーマンス、コミュニティ活動といった文化的エコロジーを織り交ぜた作品を発表する芸術作家。社会的行為-者たちとそれらが織りなすシステムのダイナミックな関係性のリサーチに興味を持っている。人形劇の実践を通じて、社会のムーブメント、作動、創造的表現の文化的エコロジーについて省察するようになった。2016年からはさまざまなコミュニティや観客を巻き込む参加型パフォーマンスに積極的に打ち込んでいる。

Farm-Lab Exhibitionについて

一人ではたどり着けない場所へ

東京芸術祭ファームのプログラムのひとつ「Farm-Lab Exhibition」は、アジアを拠点に活動する若手アーティストが、文化、国籍やバックグラウンドがさまざまに異なるメンバーとクリエーションを行い、東京芸術祭やアジア各地での上演を目指したワークインプログレスを発表する創作トライアルプログラムです。今年はマニラ(フィリピン)を拠点に活動するセリーナ・マギリュー(東京芸術祭ファーム2021 Asian Performing Arts Camp 参加者)と、日本を拠点に活動するy/n(演出家・俳優の橋本清と批評家・ドラマトゥルクの山﨑健太によるユニット)がそれぞれ演出を担当する2チームによる創作を行います。また、メンターとして、ダンスドラマトゥルクとして国内外で活躍する中島那奈子と、東京芸術祭ファーム共同ディレクターを務めるドラマトゥルクの長島確が創作をサポートします。8月上旬よりオンラインクリエーション、9月下旬から東京で約10日間の滞在制作、10月上旬に東京芸術劇場アトリエイースト、アトリエウエスト(予定)にてパフォーマンス試作発表を一般公開し、観客からのフィードバックを受け、作品やアーティスト自身のステップアップを目指します。

上演スケジュール

10月7日(金)19:00開演
10月8日(土)19:00開演
10月9日(日)18:00開演

※受付開始・開場は開演15分前
※上演時間は90分を予定(パフォーマンス30分+フィードバックセッション* 60分)
*毎回終演後に観客の皆さまとアーティストとのフィードバックセッションを行います。
アーティストはフィードバックを受けて作品のブラッシュアップをしていきます。

当日パンフレット(PDF)

ダウンロードはこちら

アクセシビリティ

・託児施設(詳細は東京芸術劇場託児サービス情報をご覧ください。)
https://www.geigeki.jp/access/support.html

言語

日本語/英語(予定)

チケット情報

無料(要予約)

受付開始:9月17日(土)10:00

参加申し込みはこちら

ご来場にあたっての注意事項

新型コロナウィルス感染拡大防止の対策を講じたうえで、本公演を開催いたします。
ご来場の際は必ず東京芸術祭WEBサイト内の下記ページをご覧ください。

▶東京芸術祭コロナ対策ページ

・マスクの常時着用をお願いいたします。
・37.5度以上の発熱がある方や体調不良が認められる方等は当日ご入場をお断りする可能性がございます。予めご了承ください。

会場

東京芸術劇場 アトリエイースト

フォトギャラリー

スタッフ

Farm-Lab Exhibition パフォーマンス試作発表『Education (in your language)』
演出助手:浜辺ふう(九条劇)
クリエイティブインターン:黄慕薇

Farm-Lab Exhibition
メンター:中島那奈子、長島確
照明:中山奈美
音響:和田匡史
舞台監督:佐藤幸美(ステージワークURAK)
舞台監督助手:森田千尋(ステージワークURAK)
アートトランスレーター(日英通訳・翻訳):田村かのこ、水野響、春川ゆうき、森本優芽
アートトランスレーターアシスタント:小田切みなみ、梅田彩花、林慶子
制作:古川真央、大川智史
制作アシスタント:平野みなの、関あゆみ

ファーム編集室
室長:鈴木理映子
アシスタントライター:船越千裕、長沼航、関口真生、鈴木まつり

Farm-Labオフィス(合同会社syuz’gen)
チーフマネージャー:植松侑子
制作統括:谷陽歩
制作:古川真央、寺田凜、江口正登、大川智史、宮原叶、水戸亜祐美
広報:ユカワユウコ
バックオフィス:河村美帆香、染谷日向子

コミュニケーションデザインチーム(Art Translators Collective)
チーフ:田村かのこ
メンバー:山田カイル、水野響、春川ゆうき、森本優芽、植田悠

東京芸術祭ファームディレクター:多田淳之介
東京芸術祭ファーム共同ディレクター:長島確

東京芸術祭実行委員会事務局
東京芸術祭ファーム事務担当:室内直美

主催クレジット

主催:東京芸術祭実行委員会〔豊島区、公益財団法人としま未来文化財団、公益財団法人東京都歴史文化財団
  (東京芸術劇場・アーツカウンシル東京)、東京都〕
助成:令和4年度 文化庁 国際文化芸術発信拠点形成事業
協賛:アサヒグループジャパン株式会社

お問い合わせ

Farm-Lab オフィス
03-4213-4293(平日10時~19時)
farm@tokyo-festival.jp