『暴力の歴史』について

写真: Arno Declair

“暴力”のかたち

社会に黙認された暴力の形を、あなたはどう受けとめる?

クリスマスイブ、「私」はアルジェリア系の青年と愛を交わす。
しかし、スマートフォンが無くなっていることに気づいた
「私」がそのことをなじると、
青年は出自と両親への侮辱だと激怒し、「私」はレイプされる。告発へのためらい。
故郷の姉は、「私」のパリジャン気取りを嘲笑する。
警察の自宅捜査が始まる—。
教育・収入格差、移民やセクシュアル・マイノリティへの偏見。
私たちは加害者なのか、それとも被害者なのか。
現代社会で再生産され続ける“暴力”の形を抉り出す。

原作:エドゥアール・ルイ
演出:トーマス・オスターマイアー

ストーリー

早朝4時のパリ。青年エドゥアールはクリスマスディナーから帰宅する途中、レピュブリック広場でアルジェリア系の男レダと知り合う。弾んだ会話はいちゃつきに変わり、そのままエドゥアールはレダを自分の部屋へと連れ帰る。二人はその夜を共に過ごし、レダは自分の幼少期とアルジェリアからフランスへ逃げてきた父親の話をする。浮かれた雰囲気の中で二人は笑い、愛撫しあい、ベッドを共にする。しかし数時間後、別れ際にエドゥアールが自分のスマートフォンがなくなっていることに気づくと、突然、暴力的な空気が部屋を支配する。レダはエドゥアールを銃で脅し、レイプする。翌朝、エドゥアールは警察、そして病院にいる。このトラウマにどう向き合っていいか途方に暮れた彼は、逃げ込むように北フランスの田舎に暮らす姉のクララを訪ね、彼女に事情を打ち明ける。この劇的な出来事に対する周りの人々、警察官、医師の意見や反応は、社会に深く根付いた人種差別、ホモフォビア、そして不透明な権力構造を暴いていく。

写真: Arno Declair
写真: Arno Declair

作品クレジット

原作 エドゥアール・ルイ著『暴力の歴史』(2016年)
演出 トーマス・オスターマイアー
独仏翻訳 ヒンリッヒ・シュミット=ヘンケル
トーマス・オスターマイアー、フロリアン・ボルヒマイヤー、エドゥアール・ルイによるドイツ語での初演翻案
出演 クリストフ・ガヴェンダ、ラウレンツ・ラウフェンベルク、レナート・シュッフ、アリーナ・シュティーグラー、
演奏 トーマス・ヴィッテ
演出助手 ダーヴィッド・シュトエル
舞台美術/衣装 ニーナ・ヴェッツェル
音楽 ニールス・オステンドルフ
映像 セバスティアン・ドュプィ
ドラマトゥルク フロリアン・ボルヒマイヤー
照明 ミヒャエル・ヴェッツェル
振付 ヨハンナ・レムケ
製作 Schaubühne Berlin
共同製作 Théâtre de la Ville Paris, Théâtre National Wallonie-Bruxelles and St. Annʼs Warehouse Brooklyn.
初演 2018年6月

プロフィール

エドゥアール・ルイ(原作)
1992年フランスのピカルディー生まれ。パリ国立高等師範学校在学中からフランス大学出版局(PUF)で叢書の編集主幹を務め、ミシェル・フーコーの講演などを編集。21歳のとき、故郷で受けた壮絶ないじめと極貧の生活を描いた私小説『エディに別れを告げて』を発表、「ピエール・ゲナン反ホモフォビア賞」を授賞。この作品はすでに15カ国で翻訳権が売れ、日本語訳も出版されている。自ら改名した「ルイ」はジャン=リュック・ラガルスの戯曲『たかが世界の終わり』の主人公の名前。ゲイの青年がエイズを発症し、故郷である殺風景な村に戻る話で、グザヴィエ・ドランにより映画化もされている。最新作『私の父を殺した者 Qui a tué mon père』(2018)も今年スタニスラス・ノルデー演出で舞台化。現在フランスで最も注目されている作家の一人。

トーマス・オスターマイアー(演出)

1968年西ドイツのゾルタウ生まれ。96年~99年ベルリン・ドイツ座の小スペース「バラック」芸術監督。99年からシャウビューネにて演出および芸術監督を務める。それに並行し、ミュンヒェン・カンマーシュピーレで映画を原作とした『マリア・ブラウンの結婚』(2007)、ウィーンのブルク劇場でイプセンの『棟梁ソルネス』(2004)、パリのコメディ・フランセーズでシェイクスピアの『十二夜』(2018)等を演出。2004年よりアヴィニョン演劇祭の顧問として、定期的に新作公演。演出作品は欧州に限らず世界中で上演され、数々の受賞歴を誇る。18年、文化政策における貢献に対してドイツ連邦共和国功労勲章。日本上演:2005年イプセン原作『ノラ~イプセン「人形の家」より』、同年マリウス・フォン・マイエンブルク原作『火の顏』、2018年イプセン原作『民衆の敵』。

シャウビューネ劇場について

1962年西ベルリンに設立。99年よりトーマス・オスターマイアーが芸術監督を務める。毎シーズン、10本以上の新作が初演される他、30本以 上のレパートリー作品が入れ替わりで上演される。99年から協働し、継続的に新しいメンバーを迎えて拡張を続けており、ダンス、音楽劇などの 新しい形式も取り入れる演出スタイルの多様性が特徴である。ストーリーを物語ること、そして古典や現代テクストの精緻な浸透に焦点を当てた 同時代的で実験的な演劇言語を探求。レパートリーには代表的な世界文学の演出作、国際的に評価の高い小説家の現代劇がある。ドイツ国内のみ ならず、海外公演実績多数。
https://www.schaubuehne.de/en/start/index.html

上演スケジュール

10/24(木) 10/25(金) 10/26(土)
14:00
19:30

 

上演言語:ドイツ語(日本語・英語字幕付)
上演時間:約135分(休憩なし)

※受付開始は開演の1時間前、開場は30分前
※公演には一部、性的・暴力的な表現が含まれています。

託児サービスのご案内
有料・定員制・希望日1週間前迄に要申込
▼ご予約・お問合せ HITOWA キャリアサポート株式会社 わらべうた
0120-415-306(平日9:00~17:00)
詳細はこちら

チケット

料金【全席指定・税込】
・一般S席:前売5,000円 / 当日5,500円
・一般A席:前売4,000円 / 当日4,500円
・障害者割引:S席4,500円 / A席3,600円
・29歳以下(A席):3,000円
※未就学児童は入場不可
※推奨年齢16歳以上
※障害者割引は前売のみ、東京芸術劇場ボックスオフィス電話・窓口のみ受付
※29歳以下割引は、東京芸術劇場ボックスオフィスのみ取扱い。
(前売のみ・枚数限定・要証明書)
※車椅子で観劇をご希望の方は東京芸術劇場ボックスオフィスまでお問い合わせ
ください。

 

9月1日(日)10:00~ 一般発売

取り扱い

■東京芸術祭チケットセンター https://tokyo-festival.jp/2019/ticket/
※インターネットでのチケット購入には、芸劇メンバーズへの登録(無料)が必要

■東京芸術劇場ボックスオフィス
【窓口】 10:00~19:00(東京芸術劇場1階/休館日を除く)
【電話】 0570-010-296(ナビダイヤル) / 10:00~19:00(東京芸術劇場休館日を除く)

■チケットぴあ: 0570-02-9999 (24時間・音声自動応答)
【Pコード:496-624】
http://t.pia.jp/

■イープラス https://eplus.jp/ (PC・スマートフォン)
※ファミリーマート店内Famiポートでも直接購入可能。

■Confetti (カンフェティ) 0120-240-540(平日10:00~18:00)
https://www.confetti-web.com/bouryoku

会場

東京芸術劇場 プレイハウス

TEL:03-5391-2111
〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1
JR・東京メトロ・東武東上線・西武池袋線 池袋駅西口より徒歩2分
駅地下通路2b出口と直結

公演クレジット

主催:東京芸術祭実行委員会 [豊島区、公益財団法人としま未来文化財団、フェスティバル/トーキョー実行委員会、公益財団法人東京都歴史文化財団(東京芸術劇場・アーツカウンシル東京)]

後援:ドイツ連邦共和国大使館 / ゲーテインスティトゥート 東京、東京ドイツ文化センター、在日フランス大使館 / アンスティチュ・フランセ日本

制作:株式会社precog

お問合せ

東京芸術祭実行委員会事務局
〒102-0073
東京都千代田区九段北4-1-28 九段ファーストプレイス8F アーツカウンシル東京内
TEL: 050-1746-0996(平日10:00~18:00)
http://tokyo-festival.jp

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