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『マライの虎』(テアター・エカマトラ/2018)を巡るトーク

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公演終了

昔の映画をアップデートすることにどんな意味がある?
演劇によるリメイクが拓く通路

戦時中のプロパガンダ映画『マライの虎』をシンガポールと日本の俳優が舞台上で演じ直していくことで、歴史改編の問題や、演じる役と俳優との属性の一致に関する議論など、いま映画や演劇の作り手が避けて通れないトピックを、鋭くしかしユーモアをもって問いかけている演劇作品、テアター・エカマトラ『マライの虎』。
2018年にシンガポールで上演された際の記録映像をオンライン上で配信します。

10月21日(土)には日本の専門家と、また10月27日(金)にはテアター・エカマトラの劇作家・演出家・プロデューサーが来日し、トークセッションを行います。

プログラムディレクターズコメント

テアター・エカマトラは広義の「翻訳」を通して複数の文化圏の違いや重なりを浮かび上がらせるのに長けたカンパニーです。今作は日本人俳優と一緒に、あえて自分達の世代が体験していない戦争中のプロパガンダ映画を題材に、「演劇をつくるプロセス」という構造を重ねることで、歴史認識の違いや、俳優あるいは個人としてのアイデンティティなど、演じる/上演する/協働する際にいま避けて通れない現代の課題を見事に昇華しています。当時の上演映像とあわせて、各回異なるゲストを招いてのディープな話ができればと思っています。

長島確、河合千佳(FTレーベルプログラム・ディレクター)

スケジュール

10月21日(土)
14:45:開場
15:00~16:40:『マライの虎』映像上映 ※上映後は完全入れ替え制
17:45:開場
18:00~19:30:『マライの虎』を巡るトーク ※チケット予定枚数終了

トークゲスト:貴志俊彦(京都大学 東南アジア地域研究研究所教授)
司会:
長島 確(東京芸術祭 FTレーベルプログラムディレクター)
河合千佳(東京芸術祭 FTレーベルプログラムディレクター)

10月27日(金)
13:45:開場
14:00~15:40:『マライの虎』映像上映 ※上映後は完全入れ替え制
18:45:開場
19:00~20:30:『マライの虎』を巡るトーク ※チケット予定枚数終了

トークゲスト:
アルフィアン・サアット(劇作家)
モハマド・ファレド・ジャイナル(演出家)
シャーザ・イシャック(クリエイティブプロデューサー)
滝口健(ドラマトゥルク、翻訳者)

司会:
長島 確(東京芸術祭 FTレーベルプログラムディレクター)
河合千佳(東京芸術祭 FTレーベルプログラムディレクター)

プロフィール

テアター・エカマトラ

テアター・エカマトラ

1988年に東南アジアの伝統的な演劇様式と現代的なテクニックを融合させた「現代的で実験的なマレー演劇」の開発を目指し創設されたシンガポールのカンパニー。

多様な民族、文化、言語にスポットライトを当てるとともに、政治的な課題にも大胆に切り込む作品を上演している。シンガポール国際芸術祭(SIFA)2022で上演した『Bangsawan Gemala Malam』で、ST Life Theatre賞3部門で受賞。フェスティバル/トーキョー20ではオンライン作品『Berak』を発表した。

テアター・エカマトラ

🄫Rachel Ng

アルフィアン・サアット(劇作家)

劇団ワイルド・ライスの座付き作家。これまで刊行された作品には、3冊の詩集
『激動の一時間』『記憶喪失の歴史』『不可視の手稿』、短編小説集に『廊下』(邦訳『サヤン、シンガポール アルフィアン短編集』段々社)、掌編小説集『マレー素描集』(邦訳、書肆侃侃房)、戯曲は『クーリング・オフ・デイ』の他、3冊の戯曲集がある。

2001年、ゴールデン・ポイント賞詩部門、およびナショナル・アーツ・カウンシル新進芸術家賞文学部門を受賞する。これまでシンガポール文学賞に1999年『廊下』(奨励賞受賞)、2004年『記憶喪失の歴史』、そして2016年、モハメド・ラティフ・モハメドのマレー語小説の翻訳『寡夫』で3回ノミネートされている。

ライフ演劇賞の最優秀オリジナル戯曲賞を2004年『ランドマーク』、2010年『ナディラ』、2013年『Kakak Kau Punya Laki(あなたの姉の夫)』、2016年『ホテル』(マルシア・ヴァンダーストラーテンと共作)で4回受賞。

©A.Syadiq

モハマド・ファレド・ジャイナル(演出家)

空間、身体、デザインへの強い関心のもとに、ビジュアルアーツと舞台芸術の両方を探究する領域横断的な作品に取り組む。フィジカル・シアターを信奉し、パフォーマンスにおける身体表現の可能性を常に探っている。また、芸術の要素や原理と人間の自己との関係性についても研究しており、それは対称的な関係であると同時に操作可能でもあるという。

演出家、パフォーマー、ビジュアルアーティスト、舞台美術家として、シンガポールのさまざまな演劇グループやアート集団と幅広くコラボレーションする。革新的な舞台装置や小道具を生み出す演劇デザイン・コレクティブneontightsの創設メンバーでもあり、2013年から2023年までテアター・エカマトラの芸術監督を務めるる。また、スクール・オブ・ザ・アーツ・シンガポール(SOTA)で教えている。

シャーザ・イシャック(エグゼクティブ・アーティスティック・ディレクター)

テアター・エカマトラのエグゼクティブ・アーティスティック・ディレクターとして、同劇団の戦略と芸術的な方向性を導き、一連の芸術作品のリード・プロデューサーも務める。舞台上のストーリーテリングという芸術を通じ社会変革をもたらすことを信条とし、シンガポール内外のエスニック・マイノリティのアートシーンとコミュニティの発展のために尽力している。
2019年、ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ(英国)でトリプル・スカラシップを得てクリエイティブ・プロデュース修士課程を卒業。シンガポール国際財団のアーツ・フォー・グッド・フェローシップ、International Society for the Performing Arts (米国)、アイゼンハワー・フェローシップ(米国)、メリーランド大学のデヴォス・グローバル・アーツ・マネジメント・フェローシップ(米国)のフェロー。最近では、ロンドン大学ゴールドスミス校(英国)で人種、メディア、社会正義に関する2度目の修士号を取得するため、チーヴニング奨学金を授与された。
2021年11月、シンガポール大統領ハリマ・ヤコブより、芸術・文化遺産部門での功績が認められ初めてのTunas Warisan(特別表彰)を授与された。

京都大学東南アジア地域研究研究所

貴志俊彦(きしとしひこ)

京都大学東南アジア地域研究研究所教授。専門はアジア近現代史。とくにメディアと記憶,記録の問題に取り組む。主な著書は『満洲国のビジュアル・メディア』『東アジア流行歌アワー』『アジア太平洋戦争と収容所』『帝国日本のプロパガンダ』,また編著は『増補改訂 戦争・ラジオ・記憶』『京都大学人文科学研究所所蔵 華北交通写真資料集成』『古写真・絵葉書で旅する150年』『よみがえる 沖縄 米国施政権下のテレビ映像』『描かれたマカオ』『視覚台湾:日本朝日新聞社報導影像選輯』など多数がある。

京都大学東南アジア地域研究研究所

滝口健(たきぐちけん)

ドラマトゥルク、翻訳者。1999年から2016年までマレーシア、シンガポールに拠点を置き、シンガポール国立大学よりPhD取得。国際交流基金クアラルンプール日本文化センター副所長、劇団ネセサリー・ステージ(シンガポール)運営評議員、シンガポール国立大学英語英文学科演劇学専攻リサーチフェローなどを務める一方、多数の国際共同制作作品に参加。『TURBA: The Journal for Global Practices in Live Arts Curation』編集委員。現在、世田谷パブリックシアター勤務。東京藝術大学大学院、多摩美術大学非常勤講師。

アクセシビリティ / 字幕の有無

  • 上演映像(YouTube):英語、マレー語、中国語、日本語による上演(日本語・英語字幕付き)
  • トーク(会場):10月21日(土)日本語のみ、10月27日(金)英語・日本語(日英同時通訳あり)
  • 両日程で託児サービスを実施(詳細は東京芸術劇場鑑賞サポート情報をご覧ください)

予約方法

チケット予約(オンラインのみの取り扱い) https://tigerofmalaya-jp.peatix.com/

※上演映像は事前にご自宅でご覧いただけます。
※トーク当日に上映する映像とご自宅でご覧いただける映像は同じものです。
※未就学児はご入場いただけません。
※車いすでご鑑賞を希望のお客様は、ご案内できるスペースに限りがあるため、ご来場前に東京芸術劇場ボックスオフィスへお問合せください。
※やむを得ぬ事情により、記載内容・公演情報等に変更が生じる場合がございます。
※ご来場前に必ず東京芸術祭2023特設サイト内の注意事項と本公演の最新情報をご確認ください。

オンラインでの配信期間は9月21日から11月4日です。

ご来館されるみなさまへ

  • 発熱や体調不良時には来館や来場をお控えください。
  • マスク着用は個人の判断となります。混雑時等、必要に応じて着用してください。
  • 咳エチケットや手洗いの励行を推奨しております。

スタッフクレジット

ディレクター:長島 確・河合千佳(東京芸術祭 FTレーベルプログラムディレクター)
映像字幕:日本映像翻訳アカデミー(JVTA)
映像字幕マレー語翻訳、監修: 上原亜季 (Mutiara Arts Production)
制作:水戸亜祐美(合同会社syuz’gen)
インターン:平野みなの
バックオフィス:河村美帆香(合同会社syuz’gen)

主催クレジット

主催:東京芸術祭実行委員会〔公益財団法人東京都歴史文化財団(東京芸術劇場・アーツカウンシル東京)、東京都〕
協賛:アサヒグループジャパン株式会社

お問い合わせ

東京芸術祭事務局
050-1746-0996(平日10:00〜18:00)
プログラム内容についてのお問合せ tf_ekamatra@syuzgen.com