東京芸術祭 2022 直轄プログラム FTレーベル『くらしチャレンジ』体験してみました!

こんにちは!こまごめ在住のマンガ家・織田博子です。

















くらしチャレンジ(大人とこどものための戯曲集)とは

―「くらしチャレンジ」は、読むことをきっかけにひとりひとりが小さな演劇を想像したり、やってみることのできる、くらしが舞台の戯曲集です。取材で集めた”豊島区のだれかのくらし”を題材にした短い戯曲が、31作品載っています。冊子を開くと「コインランドリーで洗濯が終わるのを待つ」「一度も入ったことのないお店に入る」......演劇のイメージとは程遠い「日常」を思わせる文章が並んでいます。「くらしチャレンジ」の企画・ディレクション・リサーチを担当した阿部健一さんに話を聞いてみました。

「実際に豊島区のいろんなまちに住んでみて、生活者の目線を体験してみた」

阿部さんは、「実際に豊島区のいろんなまちに住んでみて、生活者の目線を体験」してみたそうです。


東長崎で洗濯ものを干す阿部さん

阿部さんは、東長崎、上池袋、巣鴨に住み、地元のスーパーで買い物し、地元の人や街の中の誰かの話を聞き、コインランドリーで洗濯をし、街の生活の記録をとり続けました。私は駒込の染井銀座商店街を歩いている時に、フィールドワーク中の阿部さんに出会い、駒込の好きなところや、どんなスーパーで買い物をするかなどの生活の話をしました。阿部さんの集めてきた生活の話はとても面白くて、「上池袋のくすのき荘では、住人の台湾人のおじちゃんの作る魯肉飯(ルーローハン:台湾の豚肉かけご飯)を売っている」とか、


阿部さん(左)とルーローハン名人のおじちゃん

「巣鴨地蔵通り商店街を『おばあちゃんの原宿』として全国的に有名にしたのは、いまもいる商店街の人々」など、私の知らないまちの情報をたくさん教えてもらいました。


巣鴨地蔵通り商店街

フィールドワークを経て、生活の中からにじみでてきた言葉を戯曲のタイトルにし、そのタイトルを元に小野晃太朗さんが戯曲を書いています。この戯曲の冊子は、これから豊島区の各地で手に入れることができます。ワークショップ「まちかど体験会」や、さまざまなイベントを開催する「巣鴨センター」で戯曲を体験するもよし、冊子を使って一人で/友人や家族と/演じてみるのもよし。日常がちょっと違って見えるかもしれません。

まとめ

「くらしチャレンジ」は、「まちの中で、まちの人が、日常の中にほんの少し演劇を取り入れることで、まちの新しい面を発見する」のが面白いと思いました。「演劇を非日常のものから日常に取り戻す試み」であるといえるかもしれません。
戯曲集を手に入れて、まずは一人で試してみる。家族や友人を巻き込む。ワークショップに参加してみる。そこで感じたことを誰かに伝えてみる。すると、見慣れたまちの風景が、ぜんぜん知らない風景に見えてきます。

おまけまんが

プロフィール
マンガ家・織田博子世界のおばちゃんやおじちゃん、家庭料理を描いています。旅のコミックエッセイ「女一匹シベリア鉄道の旅」、「女一匹シルクロードの旅」、「女一匹冬のシベリア鉄道の旅」「女一匹冬のシベリア鉄道特製余録」「北欧!自由気ままに子連れ旅」「世界家庭料理の旅」(イースト・プレス)、電子書籍「世界を旅する母ちゃん駒込で子育て
2017年、住民参加型ワークショップ「としまぐらし会議」に参加したことをきっかけに街での活動を開始。豊島区の魅力を楽しみながら伝える「池ブルックリン」やローカルコミュニティペーパー「こまごめ通信」主宰。「こまごめラジオ」メインパーソナリティー。活動のモットーは「まちを楽しむ、楽しみを作る」。三児の母で、子育て中です。子育てマンガ「ブタ、母になる

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くらしチャレンジ(大人とこどものための戯曲集)
期間:10月22日(土)〜11月13日(日)
場所:豊島区内各所
言語:日本語
料金:参加費:無料
予約:https://coubic.com/tokyo-festival/466407
プログラム詳細:https://tokyo-festival.jp/2022/program/challenge

プロジェクトメンバー:阿部健一(ドラマトゥルク・地域計画研究者)、有吉宣人(俳優・ワークショップファシリテーター)、小野晃太朗(劇作家)、齋藤優衣(デザイナー)