PROGRAM
直轄プログラム FTレーベル
An Imperial Sake Cup and I ー恩賜の盃と私
演出:ティーラワット・ムンウィライ(カゲ)、ノンタワット・ナムベンジャポン
昭和・平成・令和。日本とタイの変化を見つめてきた歴史学者によるレクチャーパフォーマンス。
タイおよび東南アジアを代表する歴史学者であるチャーンウィット・カセートシリによるレクチャーパフォーマンス。1964年に当時の皇太子(のちに平成の明仁天皇)夫妻がタイを公式訪問した際にチャーンウィットが記念に賜った酒盃を起点とし、自身の個人史をたどりながら、日本軍のタイ駐留、ベトナム戦争、1970年代のタイの学生暴動など、世界的な社会の変容を辿っていく。モノや記憶にまつわる個人的かつミクロな視点から、タイと日本の歩みを重ね合わせ、両国の歴史を柔らかに解きほぐす。2020年に国際交流基金アジアセンター主催 ”The Breathing of Maps” (「呼吸する地図たち」)のプログラムとして、チェンマイ(タイ)にて初演された本作を、初の海外公演として日本で上演する。
プログラムディレクターズコメント
今年のFTレーベルは《ひとがいる》ということを感じ直すための作品をラインナップしています。日頃見ているオンラインの画面の向こうにも、製造や物流の影にも、破壊される建物のなかにも、生身のひとがいるということ。『An Imperial Sake Cup and Iー恩賜の盃と私』は高名な歴史学者によるソロ作品で、動乱の時代を何度もくぐり抜けながら、半世紀以上にわたって日タイ両国の社会の変化を見つめてきた「まなざし」があるということを、いまこんな情勢下だからこそ紹介したいと思いました。
FTレーベルプログラム・ディレクター 長島確・河合千佳
プロフィール
チャーンウィット・カセートシリ Charnvit Kasetsiri
タマサート大学歴史学部教授、歴史学者、タイ研究者として多くの功績を残す。1963年にタマサート大学で外交学の学士号を優等で取得した後、ロックフェラー奨学金を得て1967年にロサンゼルスのオクシデンタル大学で外交と世界情勢の修士号を、1972年にコーネル大学で東南アジア史の博士号を取得。論文「The Rise of Ayudhya and a History of Siam in 14th and 15thCenturies」は、1976年にOxford in Asiaから出版された。1973年から2001年までタマサート大学歴史学講師を務め、2000年に東南アジア研究プログラムを創設、1995年から1996年にはタマサート大学学長を務める。近年は、戦争と平和、ASEAN諸国、特にタイとカンボジアの関係をテーマに研究を行う。Pavin Chachavalpongpun(京都)、Pou Sothirak(プノンペン)と共に「Preah Vihear; A Guide to the Thai-Cambodian Conflict and Its Solutions」(2013年)の共著者でもある。また共同執筆したタイの社会科の教科書は日本語にも翻訳されている(世界の教科書シリーズ6『タイの歴史:タイ高校社会科教科書』中央大学政策文化総合研究所=監修、柿崎千代=訳、明石書店、2002)。2012年に福岡アジア文化賞、2014年に米国アジア研究協会よりアジア研究への特別貢献賞を受賞。
ティーラワット・ムンウィライ(カゲ) Teerawat ʻKa-geʼ Mulvilai
B-Floor Theatre共同創設者・共同芸術監督。演出家・パフォーマー。タマサート⼤学美術・応⽤芸術学部でデバイズド・シアター(Devised Theatre)の講師を務める。タイの演劇界における優れた功績に対して、タイの現代芸術⽂化省から贈られたSilpathornAward(2018)など、受賞歴多数。造形芸術と舞台芸術を融合させ、社会と政治における暴⼒や不公平さなど⼈々の⽣活に影響を与える構造の問題を扱いながら批評的な作品を創作している。⽇本においては、⼩池博史、平⽥オリザ、岡⽥利規などの国際的に活躍する演出家と共演。近年の⽇本での出演作品に『プラータナー:憑依のポートレート』(2019)がある。
ノンタワット・ナムベンジャポン Nontawat Numbenchapol
映画監督。社会派ドキュメンタリー作品を数々発表し、国際的に高く評価されている。
初のドキュメンタリー映画『BOUNDARY(邦題:空低く 大地高し)』(2013)は、ベルリン国際映画祭、アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭(IDFA)、山形国際ドキュメンタリー映画祭など、多くの映画祭で上映。2作目となる『BY THE RIVER』(2013)は、ロカルノ国際映画祭でタイ映画として初めてスペシャルメンション賞を受賞。『#BKKY』(2016)は釜山国際映画祭でプレミア上映、ドイツ・ハンブルグのLesbisch Schwule Filmtageより最優秀長編映画賞を受賞。
上演スケジュール
10月28日(金)18:00★
10月29日(土)16:00★
10月30日(日)15:00★
上演時間:50分(予定)
★=各回の上演終了後、アーティストとのQAセッション(約30分)を実施予定
アクセシビリティ / 字幕の有無
日本語/英語字幕
言語
タイ語
チケット情報
チケット料金:
全席自由(整理番号付)・税込
・一般 2,500円
・25歳以下 2,000円
・高校生以下:1,000円
・豊島区民割引:2,000円
・障害者割引 2,250円
*未就学児入場不可。
*25歳以下、高校生以下、豊島区民割引、障害者割引チケットは東京芸術劇場ボックスオフィスにて前売のみ取扱い(枚数限定・要証明書)。
*車いすでご鑑賞を希望のお客様は、事前に東京芸術劇場ボックスオフィス(0570-010-296)へお問い合わせください。
*主催者の同意のない譲渡は禁止されています。
発売日:9月10日(土)一般発売
チケット取扱:
・東京芸術祭チケットサイト
https://tokyo-festival.jp/2022/ticket/
・東京芸術劇場ボックスオフィス(休館日を除く10:00~19:00)
0570-010-296
https://www.geigeki.jp/t/
・チケットぴあ
セブン-イレブン(Pコード:514-649)
https://w.pia.jp/t/tokyo-festival-cupandi/
・イープラス
ファミリーマート店舗
https://eplus.jp/AnImperialSakeCupandI/
・Confetti (カンフェティ)
0120-240-540 ※通話料無料(平日10:00~18:00オペレーター対応)
http://confetti-web.com/sakecupandi
■託児サービス(劇場内の一時託児をご利用いただけます。有料・定員制)
ご予約受付・お問合せ:株式会社ミラクス ミラクスシッター 0120-415-306(平日10:00~19:00)
希望日1週間前迄に要申込/生後3ヶ月~小学校入学前までのお子様対象
ご来場にあたっての注意事項
新型コロナウィルス感染拡大防止の対策を講じたうえで、本公演を開催いたします。
ご来場の際は必ず東京芸術祭WEBサイト内の下記ページをご覧ください。
・マスクの常時着用をお願いいたします。
・37.5度以上の発熱がある方や体調不良が認められる方等は当日ご入場をお断りする可能性がございます。予めご了承ください。
会場
『An Imperial Sake Cup and I ー恩賜の盃と私』事前レクチャー 「タイ日関係でたどるタイ現代史」
『An Imperial Sake Cup and I ー恩賜の盃と私』 の上演を前に、タイ文学研究者の福冨渉さんによるレクチャーを開催します。
本レクチャーでは、『An Imperial Sake Cup and I ー恩賜の盃と私』のなかで語られる、1930年代から70年代のタイ社会の状況と、日タイ関係を概観します。さまざまなエピソードを交えて、作品内で展開されるチャーンウイットの個人史の背景にどのような政治・社会・文化的文脈が存在するのかを知ることは、観劇の助けにもなるはずです。その過程は、必然的に普段あまり意識しない、日本と、タイおよび東南アジアとの関係について再考する機会にもなるでしょう。またそれらの文脈が、現代タイの政治的混乱や、2020年から続く若者たちの民主化運動にどう接続するのかというところまで展開していきます。単なるパフォーマンスの事前レクチャーではなく、タイ入門編とも呼べるレクチャーになる予定です。
公演と合わせてご参加いただくと、その内容をよりお楽しみいただける内容となっております。
レクチャーのみお申し込みいただくことも可能です。
ぜひお越しください。
・日時:10月16日(日)18:30〜20:00
*開場は開始の10分前
・会場:東京芸術劇場 アトリエイースト(東京芸術祭ひろば内)
参加料:無料
・講師:福冨渉
タイ文学研究者、タイ語翻訳・通訳者。青山学院大学、神田外語大学で非常勤講師。著書に『タイ現代文学覚書』(風響社)、訳書にプラープダー・ユン『新しい目の旅立ち』(ゲンロン)、ウティット・ヘーマムーン『プラータナー』(河出書房新社)など。
https://www.shofukutomi.info/
お申し込みはこちら(https://coubic.com/tokyo-festival/893060)
フォトギャラリー
スタッフクレジット
エグゼクティブプロデューサー: グリッティヤー・ガーウィーウォン
プロデューサー、プロダクションマネージャー:マヌポーン・ルアンアラーム
脚本: チャーンウィット・カセートシリ、ジャールナン・パンタチャート
リサーチ:アナン・クルッペット、シリウット・ブンチューン
舞台監督、人形操作:スラット・ゲォシークラーム
音響デザイン、音響オペレート:ガモンパット・ピムサーン
映像オペレート、テクニカル・マネージャー:ゴーンチャイ・ミーウォン
照明オペレート:パーリター・サクンチャイワーニット
<東京公演>
技術監督:寅川英司、佐藤あおい
舞台監督:土居三郎
美術コーディネート:岡田新
小道具コーディネート:茂木舞
照明コーディネート:木下尚己(株式会社ファクター)
音響コーディネート:井上林童(サウンドウィーズ)
映像コーディネート:須藤崇規
映像オペレート:冨田了平、宮田真理子
字幕オペレート:チャニダー・パンヤーネーラミッディー
字幕翻訳・テクニカル通訳:千徳美穂
QAセッション通訳:高橋マリア美弥子
チラシデザイン:青木正
制作:武田侑子(NPO法人アートネットワーク・ジャパン)、大島尚子(東京芸術祭)
制作アシスタント:名取萌音(NPOアートネットワーク・ジャパン)
映像提供:AFP /アフロ
主催クレジット
主催:東京芸術祭実行委員会〔豊島区、公益財団法人としま未来文化財団、公益財団法人東京都歴史文化財団
(東京芸術劇場・アーツカウンシル東京)、東京都〕
助成:令和4年度 文化庁 国際文化芸術発信拠点形成事業
協賛:アサヒグループジャパン株式会社
後援:国際交流基金
お問い合わせ
東京芸術祭実行委員会事務局
050-1746-0996 (平日10:00〜18:00)