「東京芸術祭 2022」開催、主要3演目 (演劇) 発表のご案内

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エミリー・ブロンテ × 小野寺修二  野外劇『嵐が丘』
鶴屋南北 × プルカレーテ『スカーレット・プリンセス』
プルカレーテ × 佐々木蔵之介『守銭奴 — ザ・マネー・クレイジー』

芸術文化の未来をつくる 国際舞台芸術祭「東京芸術祭2022」

 東京芸術祭は、東京の多彩で奥深い芸術文化を通して世界とつながることを目指し、毎年秋に豊島区池袋エリアを中心に開催している都市型総合芸術祭です。東京の文化の魅力を分かりやすく見せると同時に、東京における芸術文化の創造力を高めることを目標とし、今年で7年目を迎えます。中長期的には、社会課題の解決や人づくり、都市づくり、そして、グローバル化への対応を視野に入れ、日本最大級の舞台芸術を中心とした幅広いジャンルの公演事業、アートプロジェクト、また、芸術分野で国際的に活躍する人材の育成プログラムも多数実施し、“芸術文化の未来をつくる芸術祭”を展開しています。

「ひらく」「きわめる」「つながる」—— 3つのキーワードを体現する主要演目

 東京芸術祭は、フランスで開催されるエクサン・プロヴァンス音楽祭でもオペラ演出を手掛けるなど世界的にも評価の高い宮城聰がディレクターを務め、「ひらく」「きわめる」「つながる」の3つのキーワードを掲げています。これらを体現する今年の主要3演目をご紹介します。
 はじめに、舞台芸術をより多くの人々に「ひらく」試みとして2018年にスタートした、ワンコインで観劇できる野外劇。演劇、ダンス、テレビドラマと活躍めざましい稀代のパフォーマー小野寺修二を演出に迎え、新作 野外劇『嵐が丘』をお届けします。小野寺が信頼を寄せる唯一無二の個性派俳優 片桐はいりとともに、エミリー・ブロンテの恋愛ロマンの傑作に挑みます。
 次に、独自の表現を究め、世界の頂点を極めると言って過言ではない「きわめる」アーティストや作品が集結します。なかでも注目は、ルーマニアの鬼才シルヴィウ・プルカレーテ演出により東京芸術劇場で上演される2作品。ひとつめは、シビウ国際演劇祭を揺るがせた四代目鶴屋 南北「桜姫東文章」を原作とする『スカーレット・プリンセス』をジャパンプレミアで披露します。ふたつめには、日本が誇る実力派俳優 佐々木蔵之介と『リチャード三世』以来の再タッグで、モリエールの傑作喜劇『守銭奴 — ザ・マネー・クレイジー』をお送りします。
 作品やアーティストを通して多様な文化と出会う場を創出し、国内外、多分野、他表現と 「つながる」ボーダレスな東京芸術祭。新たな東京を発見し、世界とつながる芸術祭です。

「東京芸術祭 2022」の全演目ラインアップは、2022年8月1日に公開予定です。

東京芸術祭2022 直轄プログラム 野外劇『嵐が丘』

作:エミリー・ブロンテ  演出:小野寺修二
出演:王下貴司、久保佳絵、斉藤 悠、崎山莉奈、菅波琴音、竹内 蓮、丹野武蔵
鄭 亜美、辻田 暁、富岡晃一郎、中村早香、西山斗真、塙 睦美、宮下今日子
片桐はいり

公演日程:2022 (令和4) 年 10月17日 (月) ~ 26日 (水) 17:00開演
会場:GLOBAL RING THEATRE (池袋西口公園野外劇場)

022・秋 池袋西口に憎悪と復讐をはらむ風 吹きすさぶ荒野、あらわる。

東京芸術祭のメインプログラム“野外劇”

 野外劇は、劇場を「ひらく」アクションとして、2018年、東京芸術祭のメインプログラムのひとつとなりました。会場は池袋駅からほど近い池袋西口公園にあるGLOBAL RING THEATRE(グローバルリング シアター)で、チケット代はワンコイン(500円)。“日常に出現する非日常のスペクタクル”をテーマに、これまで劇場に足を運んだことのない人々が初めて舞台演劇に触れる機会と、まちなかの賑わいを同時に創出するプログラムです。ふらりと立ち寄って、一流のアーティストによるハイクオリティーなパフォーマンスに触れられることは、芸術祭ならではの醍醐味と言えるでしょう。
 また、出演のチャンスをより広く多くのアーティストに「ひらく」ため、出演者の多くをオーディション方式で決定しています。

小野寺修二が挑む、新作 野外劇『嵐が丘』

 「東京芸術祭 2022」の野外劇は、カンパニーデラシネラを主宰する演出家・振付家の小野寺修二を迎え、新作『嵐が丘』に挑みます。英国の女流作家エミリー・ブロンテによる文学史上の名作「嵐が丘」を大胆に再構成し、野外という特性を活かしてスケールの大きなスペクタクルに仕上げます。 
 小野寺のマイムの動きをベースとした身体表現による独創的な世界観に、言葉、光と音、空間を最大限に活かす演出が相乗効果として作用し、1847年に英国で発表された物語が現代の物語として立ち上がります。
 街の只中で、夕景から夜に掛かる時間、喧騒さえも芝居の一部になる都会の野外劇。その異空間をご堪能ください。

プロフィール

演出:小野寺修二 おのでら・しゅうじ

演出家。カンパニーデラシネラ主宰。日本マイム研究所にてマイムを学ぶ。1995年〜2006年、パフォーマンスシアター水と油にて活動。その後、文化庁新進芸術家海外研修制度研修員として1年間フランスに滞在。帰国後、カンパニーデラシネラを立ち上げる。マイムの動きをベースにした独自の演出で注目を集めている。主な演出作品として、現代能楽集Ⅸ『竹取』(2018年/シアタートラム他)、『国際共同制作 TOGE』(2021年/神奈川芸術劇場)、『ふしぎの国のアリス』(2017、22年/新国立劇場他)など。また野外劇や学校巡回公演など、劇場内にとどまらないパフォーマンスにも積極的に取り組んでいる。音楽劇や演劇で振付も手がけ、第18回読売演劇大賞最優秀スタッフ賞を受賞。2015年度文化庁文化交流使。2021年NHK大河ドラマ『青天を衝け』にて、北大路欣也扮する徳川家康周辺の振付を担当。

出演:片桐はいり かたぎり・はいり

俳優。1963年生まれ、東京都出身。大学在学中に映画館のもぎりのアルバイトをしながら、劇団で舞台デビュー。その後、CM、映画、テレビドラマと幅広く活躍。主な出演作品は『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』(2021年/作・演出:岡田利規)、『あの大鴉、さえも』(16年/作:竹内銃一郎 演出: 小野寺修二)、『キレイ~神様と待ち合わせした女』(05年/演出・脚本:松尾 スズキ)、『オイル』(03年/演出・脚本:野田秀樹)、舞台&映画『小野寺の弟、小野寺の姉』(13、14年)、映画『私をくいとめて』(20年)、『かもめ食堂』(06年)、ドラマ『ちむどんどん』(22年)、『あまちゃん』(13年)、『すいか』(03年)ほか多数。執筆も行っており、著書「わたしのマトカ」「グアテマラの弟」(幻冬舎)。映画愛に溢れたエッセイ「もぎりよ今夜も有難う」(キネマ旬報社)は、第82回キネマ旬報ベスト・テン読者賞を受賞。

公演概要

■公演日程:2022(令和4)年10月17日(月)〜26日(水) 17:00開演 *10月24日(月)は休演
■会場:GLOBAL RING THEATRE(池袋西口公園野外劇場)
    <〒171-0021 東京都豊島区西池袋一丁目8番26号>

■チケット発売日:9月10日(土) 10:00〜
■チケット料金(全席自由・税込): 500円 ほか

東京芸術祭2022 芸劇オータムセレクション 『スカーレット・プリンセス』 The Scarlet Princess

上演台本・演出:シルヴィウ・プルカレーテ  原作:鶴屋南北「桜姫東文章」
出演:オフィリア・ポピ ユスティニアン・トゥルク
ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場カンパニー

公演日程:2022 (令和4) 年 10月8日 (土) ~ 11日 (火)
会場:東京芸術劇場 プレイハウス

2022年、東京・ルーマニアを結ぶ新しい演劇の幕開け。シビウで生まれ変わった歌舞伎の傑作が遂に来日!

鬼才プルカレーテと四代目鶴屋南北の時空を超えた出会い

 2018年、シビウ国際演劇祭でワールドプレミアされ、ヨーロッパでも大きな話題を呼んだ『スカーレット・プリンセス』は、四代目鶴屋南北「桜姫東文章」が原作です。歌舞伎のエッセンスに忠実でありながらもヨーロッパの演劇人たちが挑戦した、まったく新しい “本歌取” としての演劇作品が誕生しました。シルヴィウ・プルカレーテの特徴でもある大胆で挑戦的なスペクタクルな演出は、まさしく日本の “傾(かぶ)く” という精神に通じるものです。同時に、テキストへの深い読解、日本文化への豊かな知識とリスペクトに基づいた細やかな作品アプローチが、この作品を唯一無二のものとし、観る者の魂を揺さぶります。

シビウ国際演劇祭、プルカレーテと日本のパートナーシップ

シビウ国際演劇祭では、2008年に故・十八代目中村勘三郎が平成中村座を率いて歌舞伎を上演したのち、まつもと市民芸術館芸術監督でもある串田和美が作品を発表、東京芸術劇場芸術監督・野田 秀樹が『One Green Bottle』を上演するなど、その演劇祭の始まりから日本との深いつながりを築いてきました。プルカレーテは、国立ラドゥ・スタンカ劇場制作の『ファウスト』や、2017年の東京芸術劇場における『リチャード三世』(主演:佐々木蔵之介)、2020年の『真夏の夜の夢』など、古典を現代的に解釈した演出で大きな話題を集めてきました。また、招聘した『ルル』(2013)、連続上演『ガリバー旅行記』『オイディプス』(2015)でも日本の演劇ファンに強烈な印象を残しています。
 そして、2022年、新型コロナウイルス感染症による公演中止を乗り越え、新たな生命を吹き込まれた『スカーレット・プリンセス』の初来日公演が実現します。海外で生まれたまったく新しいこの作品は、歌舞伎の隠された一面を日本人が再発見し、日本の演劇がもつ底力を国内外に発信する、またとない機会となることでしょう。

『The Scarlet Princess』(2018年)  撮影:Ovidiu Matiu
『The Scarlet Princess』(2018年)  撮影:Sebastian Marcovici

プロフィール

演出:シルヴィウ・プルカレーテ Silviu Purcarete

1950年生まれ。ルーマニアを代表する舞台演出家。ヨーロッパ三大演劇祭の一つであるルーマニア・シビウ国際演劇祭で演出を手がける圧巻の大スペクタクル『ファウスト』は毎年のハイライトとして注目を集める。エディンバラやアヴィニョン、メルボルン、モントリオールなど、世界中の演劇祭へ数多く招聘されている。フランス政府から芸術文化勲章シュバリエ、ルーマニア政府から国家勲章を受ける。演劇賞では、エディンバラ・フェスティバル批評家最優秀作品賞、ピーター・ブルック賞、ダブリン演劇祭批評家賞など。東京芸術劇場でのクリエーションは『リチャード三世』(2017)『真夏の夜の夢』(2020)の2作品。

ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場 について

ラドゥ・スタンカ劇場は、1788年に建設された伝統ある劇場。2000年にコンスタンティン・キリアックが芸術監督就任以降その活動が評価され、2004年に国立劇場となった。約50人の俳優が所属し、古典から実験的作品までシーズン中に約70作品、年間に新作10数本を上演するなど精力的に活動している。また、94年以降、毎年開催されるシビウ国際演劇祭の共同主催者でもある。シビウ国際演劇祭は、世界約70か国の芸術家が参加し、エディンバラ、アヴィニョンに並ぶ規模を誇る。また、演劇祭の初期より日本からも数多くの劇団が同演劇祭には参加しており、これまでの演劇界への功績を讃えて演劇祭から贈られる「Sibiu walk of fame」には、これまで日本から故・中村勘三郎、串田和美、野田秀樹らが受賞している。

公演概要

■公演日程:2022(令和4)年10月8日(土)〜11日(火) *10月10日(月・祝)は休演
■会場:東京芸術劇場 プレイハウス  <〒171-0021 東京都豊島区西池袋一丁目8番1号>

■チケット発売日:9月10日(土) 10:00〜 
■チケット料金:調整中
*未就学児入場不可
*ルーマニア語上演、日本語・英語字幕あり

東京芸術祭2022 芸劇オータムセレクション 『守銭奴 — ザ・マネー・クレイジー』

作:モリエール 翻訳:秋山伸子
演出:シルヴィウ・プルカレーテ
出演:佐々木蔵之介 ほか 

公演日程:2022 (令和4) 年 11月23日 (水・祝) ~ 12月11日 (日)
会場:東京芸術劇場 プレイハウス

“ルーマニアの蜷川”と呼ばれる演出家・プルカレーテが芸劇に帰ってくる。 モリエールの大傑作が 金まみれの世界を徹底的に嘲い倒す!!!

巨匠プルカレーテと佐々木蔵之介が挑む、モリエールの傑作喜劇

 端正なルックスとエネルギーあふれる演技で、日本が誇る実力派俳優・佐々木蔵之介。その蔵之介が徹底的に惚れ込んだ演出家が、ルーマニアの巨匠シルヴィウ・プルカレーテです。この秋、2017年の東京芸術劇場による『リチャード三世』以来、5年ぶりにふたりのタッグが復活します。プルカ レーテが日本で発表した作品が、読売演劇大賞を受賞するなど国内での評価も定着しています。
 注目の上演作は、今年、生誕400年を迎えたフランス三大劇作家のひとり モリエールの『守銭奴』。数あるモリエールの戯曲のなかでも人気が高く、上演回数も多い優れた性格喜劇です。佐々木蔵之介が、あらゆる金を出し渋る “ドケチオヤジ” を過剰なテンションで熱演し、プルカレーテのスラップスティックな演出で、コロナ禍の鬱憤を吹き飛ばす爆笑コメディが展開されることでしょう。
 プルカレーテの作品は、世界中の劇場やフェスティバルで上演され、多くの観客を魅了しています。招聘公演『スカーレット・プリンセス』との連続上演で、プルカレーテの世界を存分に堪能できる またとない機会です。

『守銭奴』あらすじ

 極度の倹約家のアルパゴン(佐々木蔵之介)は、召使を始め、息子と娘にまでそれを強要し、家族の我慢も限界に達している。そんなある日、アルパゴンは再婚をしたいと申し出る。その相手は、実の息子が恋した相手と重なっていた! けちんぼ親父とその息子と娘、それぞれの恋人たちとの七転八倒のやり取りの最中で、思いがけず秘密が明らかになる。

プロフィール

演出:シルヴィウ・プルカレーテ  Silviu Purcarete

前述のとおり

出演:佐々木蔵之介 ささき・くらのすけ

1968年2月4日生まれ 京都府出身
劇団「惑星ピスタチオ」に旗揚げから参加し、98年退団まで同劇団の看板俳優として活躍。その後、上京して本格的な俳優活動を開始し、テレビ・映画・舞台など数多くの作品に出演、14年には歌舞伎デビューも果たす。第17回読売演劇大賞 優秀男優賞、第47回紀伊國屋演劇賞 個人賞、第40回菊田一夫演劇賞 演劇賞、第38回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞受賞。 近年の主な出演作は、【舞台】『マクべス』(15)、『ゲゲゲの先生へ』(18)、Team 申『君子無 朋~中国史上最も孤独な「暴君」雍正帝~』(21)、『冬のライオン』(22)【映画】『噓八百 京町ロワイヤル』(20)、『生きろ 島田叡ー戦中最後の沖縄県知事』、『科捜研の女-劇場版-』 (21)、【TVドラマ】『ミヤコが京都にやって来た!』(ABC・21)、『IP〜サイバー捜査班』(EX・ 21)、『和田家の男たち』(EX・21)など。
22年、映画『峠 最後のサムライ』公開中。23年に映画『嘘八百 なにわ夢の陣』が公開を控える。

公演概要

■公演日程:2022(令和4)年11月23日(水・祝)〜12月11日(日)  *休演日あり
■会場:東京芸術劇場 プレイハウス  <〒171-0021 東京都豊島区西池袋一丁目8番1号>

■チケット発売日:9月10日(土) 10:00〜
■チケット料金:調整中

プレスリリース

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東京芸術祭実行委員会事務局 TEL:050-1746-0996(平日10時-18時)

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