【シリーズ・持続可能な舞台芸術の環境をつくる】
東京芸術祭2020「どうやって出会う!」シンポジウム
『今、なぜ舞台芸術が必要なのか~より近く、よりゆっくり、より寛容に~』
「コロナ後」の社会には、非効率とされてきた舞台芸術が役に立ちそうです。 経済学、政治学、生物学、美学などさまざまな視点から、ゆっくりと考えていきます。
再生不可能な燃料に依存したシステムから、生き物としての人間の限界を意識したシステムへ。多くの人が同じ目標を目指す「合理的」な社会から、目標のちがう人たちが楽しく共存できる「寛容」な社会へ。コロナ禍によって、そんな方向転換の必要性がいよいよ痛感されてきました。「コロナ後」の社会には、ここ半世紀ほど非効率なものとみなされてきた舞台芸術が役立ちそうです。
経済学、政治学、生物学、美学などさまざまな視点から、「今、なぜ舞台芸術が必要なのか」、ゆっくりと考えてみたいと思います。
日時
登壇者
水野和夫、李静和、伊藤亜紗
司会
横山義志
登壇者プロフィール
水野 和夫(みずの かずお)
1953年生まれ。法政大学教授。1977年、早稲田大学政治経済学部卒業。1980年、同大学大学院経済学研究科修士課程修了後、八千代証券(国際証券、三菱証券を経て、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)に入社。三菱UFJ証券チーフエコノミストを経て、2010年退社。同年、内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)。2011年、内閣官房内閣審議官(国家戦略室)。2012年、退官。埼玉大学で博士号を取得(経済学)。『100年デフレ』『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』『終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか』(以上、日本経済新聞出版社)、『金融大崩壊 「アメリカ金融帝国」の終焉』(日本放送出版協会〈現・NHK出版〉)、『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社)、『閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済』(集英社新書)、共著に『コレクションと資本主義』(角川新書)など著書多数。
李静和(り じょんふぁ)
政治学者(文化の政治学)、成蹊大学法学部教授。韓国済州島生まれ。1988年来日。著書に『新編 つぶやきの政治思想―求められるまなざし・かなしみへの、そして秘められたものへの』(岩波現代文庫、2020)、『求めの政治学──言葉・這い舞う島』(岩波書店、2004)。編著に『残傷の音──「アジア・政治・アート」の未来へ』(岩波書店、2009)、“Still Hear the Wound, Toward an Asia, Politics, and Art to Come” (Cornell University, 2015)。共著に『スピヴァク、日本で語る』(G・C・スピヴァク、鵜飼哲他、みすず書房、2009)、『異郷の日本語』(金石範他、社会評論社、2009)他。「東京芸術祭ワールドコンペティション2019」に批評家審査員として参加。青森県立美術館2021年(震災10周年)特別企画展共同キュレーター。
伊藤亜紗(いとう あさ)
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授、東京工業大学環境・社会理工学院社会・人間科学コース准教授。専門は、美学、現代アート。もともと生物学者を目指していたが、大学3年次に文転。障害を通して、人間の身体のあり方を研究している。2010年に東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究美学芸術学専門分野を単位取得のうえ、退学。同年、同大学にて博士号を取得(文学)。学術振興会特別研究員をへて、2013年に東京工業大学リベラルアーツセンター准教授に着任。2016年4月より現職。主な著書に『ヴァレリーの芸術哲学、あるいは身体の解剖』(水声社、2013年)、『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社、2015年)、『눈이 보이지 않는 사람은 세상을 어떻게 보는가 』(2016年)、『目の見えないアスリートの身体論』(潮出版、2016年)、『どもる体』(医学書院、2018年)、『記憶する体』(春秋社、2019年)。訳書にフリード『没入と演劇性』(水声社、2020年)。同時並行して、作品の制作にもたずさわる。
横山義志(よこやま よしじ)
東京芸術祭国際事業ディレクター、SPAC-静岡県舞台芸術センター文芸部、学習院大学身体表象文化学専攻非常勤講師。1977年千葉市生まれ。大学2年まで生物学を学んだのち、西洋演技論史を専門とする。2000年に渡仏し、2008年にパリ第10大学演劇科で論文「優美と俳優術 歌と踊りの排除の理論的起源」により博士号を取得。2007年からSPAC-静岡県舞台芸術センター制作部、2009年から同文芸部に勤務。主に海外招聘プログラムを担当し、二十数カ国を視察。2014年からアジア・プロデューサーズ・プラットフォーム(APP)メンバー。2016年、アジア・センター・フェローシップにより東南アジア三カ国視察ののち、アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)グランティーとしてニューヨークに滞在し、アジアの同時代的舞台芸術について考える。論文に「アリストテレスの演技論 非音楽劇の理論的起源」(https://gakushuin.academia.edu/YoshijiYokoyama)、翻訳にジョエル・ポムラ『時の商人』など。
チケット
無料
スタッフ
企画:横山義志(東京芸術祭国際事業ディレクター)
制作:神戸みなみ、朴建雄、半澤裕彦
宣伝美術:内田圭
配信・撮影:高畑 陸(CHARA DE / シル)、井上 亮二(CHARA DE)
グラフィックレコーディング:カタギリショウタ
ディレクション:多田淳之介(APAFディレクター)、長島確(フェスティバル/トーキョーディレクター)、横山義志(東京芸術祭国際事業ディレクター)
主催
東京芸術祭実行委員会 [豊島区、公益財団法人としま未来文化財団、フェスティバル/トーキョー実行委員会、公益財団法人東京都歴史文化財団(東京芸術劇場・アーツカウンシル東京)]