東京芸術祭ワールドコンペティション2019とは?

東京芸術祭ワールドコンペティション2019では、10月29日から11月4日の一週間にわたって、アジア、オセアニア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカの5地域と日本のアーティストの計6組が一堂に集い作品を発表します。

現在の舞台芸術界は、「演劇」、「ダンス」、「オペラ」・・・といった近代以後のヨーロッパでつくられた枠組みで動いています。しかし、グローバリゼーションを経て情報や人、物の流れが大きく変わり、アジアがふたたび世界経済の大きな担い手となりつつあるなか、その枠組みもまた、変化を迫られているのではないでしょうか。

本企画ではコンペティションという場を通じ、背景も価値観も異なるアーティストたちが出会い、舞台芸術の未来を共に考えるための議論を生み出します。

今回のコンペティションに参加する6組のアーティストは、光州アジア芸術劇場の初代芸術監督をつとめたキム・ソンヒやアヴィニョン演劇祭プログラムディレクターのアニエス・トロリーをはじめ、それぞれの地域で国際的な舞台芸術祭のプログラムを組むプロデューサーが推薦する、2030年代に活躍するはずの面々です。推薦人となった6人のプロデューサーには、開幕となる10月29日(火)に各地域の状況を踏まえて推薦理由を述べてもらいます。異なる社会的背景、異なる価値観を持った6つの作品を通して議論を行うことで、舞台芸術のあらたな観方を見出すことができるでしょう。

そして最終日となる11月4日(月休)には授賞式が行われます。本企画で与えられる賞は主に3つのカテゴリに分けられます。【アーティスト審査員賞】は、「ナンシー演劇祭」の創立者として世界の舞台芸術を見つめてきたフランス元文化大臣ジャック・ラング審査員長のもと、各地域を拠点に世界的に活躍するアーティスト6名が公開討論を行い、決定されます。最優秀作品賞受賞作品は2020年秋の東京芸術祭で再演されます。また、パフォーマーやスタッフを対象にした賞も創設されます。【批評家審査員賞】は、各地域出身の舞台芸術に造詣の深い日本語話者6名の公開討論により選出されます。多様な背景を持った批評家たちによる討議は、「日本語話者のための批評言語」をより豊かにするものとなるでしょう。コンペティション終了後には、それぞれが執筆した講評も公開される予定です。そして各作品を観劇する観客のみなさんにも【観客賞】への投票によって新たな価値観の創出にご参加いただきます。

さらに、会期中には、各地域のアーティストの推薦人による活動紹介のトークイベントなど、作品についてより深く知り、語り合うための場がさまざまに用意されます。

つくり手と観客が共に、未来に向け、舞台芸術の新たな価値を創出する場=東京芸術祭ワールドコンペティションに、ぜひ、ご参加ください。

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