東京芸術祭2020 特別公演「ファンタスティック・サイト」開催のお知らせ

前近代から近現代、または「江戸」から「東京」へ、発展していった境目が垣間見える場所(ファンタスティック・サイト)において、パフォーミング・アーツのジャンルのひとつとして海外からの評価が非常に高い日本発信のダンス「舞踏(暗黒舞踏)」やその流れを汲むダンサーによるパフォーマンスとその映像化を行います。

東京芸術祭総合ディレクター宮城聰よりメッセージ

1960年代に東京で生まれた「舞踏Butoh」は、近代以後のアジアから唯一、世界中に広まった芸術ジャンルです。その「舞踏」の国際的評価を確立した大立者の一人=舞踏界のレジェンド麿赤兒、彼の率いる大駱駝艦、そして境界上を疾駆する気鋭の踊り手たちが、2020年春の東京を惑乱します。前近代への身体の地下通路を掘り当てた稀代の踊り手による乾坤一擲で、かつて東洋と西洋がガチでぶつかっていたこの街の埋蔵エネルギーが油田のように噴き出す場所。それが「ファンタスティック・サイト」です。

【東京芸術祭2020 特別公演ファンタスティック・サイト開催概要】

名称:東京芸術祭2020 特別公演ファンタスティック・サイト
(英語名Fantastic Site―Special Performances at Tokyo Festival2020)
会期:2020(令和2)年5月から7月
会場:東京都庭園美術館、八王子駅周辺など都内各地
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京
共催:東京芸術祭実行委員会[豊島区、公益財団法人としま未来文化財団、フェスティバル/トーキョー実行委員会、公益財団法人東京都歴史文化財団(東京芸術劇場・アーツカウンシル東京)]
アーツカウンシル東京広域舞台公演事業
※公演情報等には変更が生じる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

Crazy Camel Garden

出演:麿赤兒、大駱駝艦
会場:東京都庭園美術館
〒108-0071 港区白金台5-21-9
JR山手線「目黒駅」東口/東急目黒線「目黒駅」正面口より徒歩7分都営三田線・東京メトロ南北線「白金台駅」1番出口より徒歩6分※白金台駅のエレベーターは2番出口
https://www.teien-art-museum.ne.jp/
日時:2020年5月29日(金)、30日(土)、31日(日)19:00開演

[チケット発売]
プレイガイド先行:2020年3月22日(日)一般発売2020年3月29日(日) 10:00~[全席自由(整理番号付き)]
[チケット料金](全席自由(整理番号付き))
一般4,000円(前売・当日共通・税込)障害者割引3,600円(前売のみ)U25 3,000円(前売のみ)

テレビや映画でも活躍する日本を代表する舞踏家麿赤兒が主宰する舞踏カンパニー「大駱駝艦」。これまでヨーロッパやアメリカなど海外での公演を成功させてきた彼らは「天賦典式」という独自の様式で、『この世に生まれ入ったことこそ大いなる才能とする』という精神のもと、忘れ去られた「身振り・手振り」を採集・構築することにより、数々の作品を創作してきました。今回は大駱駝艦のレパートリーの一つである「Crazy Camel」をファンタスティック・サイトのために特別バージョンを新たにリクリエーションし、東京都庭園美術館の庭園にて今回限りの舞台を披露します。

制作:大駱駝艦/キャメルアーツ株式会社
企画ディレクション:宮城聰(東京芸術祭総合ディレクター)

アーティストプロフィール

写真:白鳥真太郎

麿赤兒(まろ・あかじ)

大駱駝艦主宰・舞踏家・俳優。1943年生まれ。奈良県出身。
1965年、唐十郎の劇団「状況劇場」に参画。唐の「特権的肉体論」を具現化する役者として、1960~70年代の演劇界に大きな変革の嵐を起こし、多大な影響を及ぼす。1966年、役者として活動しながら舞踏の創始者である土方巽に師事。1972年、大駱駝艦を旗揚げし、舞踏に大仕掛けを用いた圧倒的スペクタクル性の強い様式を導入。“天賦典式”(この世に生まれたことこそ大いなる才能とする)と名付けたその様式は、国内外で大きな話題となり、「Butoh」を世界に浸透させる。精力的に新作を発表し続けているほか、舞踏手育成にも力を注ぎ、多彩な舞踏グループ・舞踏手を輩出。また、映画・TV・舞台等においても独特の存在感を放ち、ジャンルを越境し先駆的な地位を確立している。

2006年度文化庁長官表彰。13年「第7回日本ダンスフォーラム賞大賞」、16年「東京新聞制定第64回舞踊芸術賞」、18年「第55回批評家大賞・ダンス出版部門(フランス)」、18年「春陽堂書店第1回種田山頭火賞」受賞。

写真:川島浩之

大駱駝艦・天賦典式(だいらくだかん・てんぷてんしき)

麿赤兒主宰。1972年創設。
その様式を”天賦典式”(この世に生まれ入ったことこそ大いなる才能とする)と名付け、忘れ去られた「身振り・手振り」を採集・構築し、数多くの作品を生み出している。1982年、舞踏カンパニーとしては初のフランス・アメリカ公演を行い、鮮烈なインパクトを与えて広く「Butoh」を浸透させた。また、麿赤兒の考え方である「一人一派」を実践し、山海塾や室伏鴻など多彩な舞踏グループ及び舞踏手を多数輩出している。現在、東京・吉祥寺にあるスタジオ「壺中天」(こちゅうてん)を拠点とし、様々なユニットを内蔵、大駱駝艦・天賦典式公演並びに壺中天での公演を精力的に行っている。舞踏ワークショップも随時実施、毎夏恒例となった長野県白馬村での舞踏体験合宿には、国内外から多数の参加者が集まる。1974年、87年、96年、99年、07年、12年舞踊批評家協会賞受賞。

フィルム&パフォーマンス「Undercurrents」

Undercurrentsとは、表面には現れていない流れを意味します。
東京の下には見えない江戸が流れているように(江戸時代の水路が現在の都市計画の下敷きになっています)、誕生から60年経った舞踏のスピリットも、表向きの形を変えながら、脈々と受け継がれています。
今回は、舞踏の影響を受けながら、それぞれの方法で身体と向き合い活動を続けている岩渕貞太、大橋可也&ダンサーズ、黒田育世の3組を取り上げます。3組が異なるコンセプトをもとに、東京の歴史の移り変わる風景を借景にした踊り/ダンスのフィルム化を行います。
*大橋可也&ダンサーズのみパフォーマンスの上演もあり

参加アーティスト:岩渕貞太、大橋可也&ダンサーズ、黒田育世
会場:八王子周辺ほか、都内各所

制作:ANJ(NPO法人アートネットワーク・ジャパン)
協力:フェスティバル/トーキョー実行委員会
企画ディレクション:長島確、河合千佳(フェスティバル/トーキョーディレクター)

アーティストプロフィール

写真:野村佐紀子

岩渕貞太(いわぶち・ていた)

振付家/ダンサー玉川大学で演劇を専攻、平行して、日本舞踊と舞踏も学ぶ。2007年より2015年まで、故・室伏鴻の舞踏公演に出演、今日に及ぶ深い影響を受ける。2005年より、「身体の構造」「空間や音楽と身体の相互作用」に着目した作品を創りはじめる。2010年から、大谷能生や蓮沼執太などの音楽家と共に、身体と音楽の関係性をめぐる共同作業を公演。2012年、横浜ダンスコレクションEX2012にて、『Hetero』(共同振付:関かおり)が在日フランス大使館賞受賞。自身のメソッドとして、舞踏や武術をベースに日本人の身体と感性を生かし、生物学・脳科学等からインスパイアされた表現方法論「網状身体」開発。玉川大学非常勤講師。急な坂スタジオレジデントアーティスト。2019年度セゾン文化財団シニアフェロー。

写真:野村佐紀子

大橋可也(おおはし・かくや)

振付家、一般社団法人大橋可也&ダンサーズ代表理事。1967年、山口県宇部市生まれ。横浜国立大学経営学部卒業後、イメージフォーラム付属映像研究所に学ぶ。1991年、カナダ・ヴァンクーバーにてパフォーマンスを始める。1992年から1994年まで、陸上自衛隊特別儀仗隊に在籍。1993年から1997年まで、「和栗由紀夫+好善社」の公演に舞踏手として参加、土方巽直系の舞踏振付法を学ぶ。1995年、独自の活動を開始。1999年、「大橋可也&ダンサーズ」を結成、振付作品の発表を開始する。2000年、「バニョレ国際振付賞横浜プラットフォーム」に出場するも、出演者が全裸であるという理由で非公開の審査になる。以降、2003年まで活動を休止。2004年に発表した『あなたがここにいてほしい』で「トヨタコレオグラフィーアワードネクステージ」に出場。2013年、「舞踊批評家協会賞新人賞」受賞。2014年、「利賀演劇人コンクール奨励賞」受賞。創作活動と並行してソフトウェアのエンジニアとしても活動し、企業の基幹システムからヒューマノイドロボットのアプリケーション開発まで手掛けている。

写真:GO

大橋可也&ダンサーズ

1999年、結成。テキストを用いた舞踏の振付法を基に現代社会における身体の在り方を問うダンスカンパニー。2007年から2009年まで、セゾン文化財団助成対象。代表作に、秋葉原連続殺傷事件に想を得た『帝国、エアリアル』(2008年・新国立劇場)、日本SF界を代表する作家・飛浩隆の長編小説を題材にした『グラン・ヴァカンス』(2013年・シアタートラム)がある。ドラマトゥルク長島確とともに江東区を舞台にリサーチに基づくダンス作品を制作するプロジェクト「ザ・ワールド」を継続中。2019年、カンパニー結成20周年記念作品『ザ・ワールド2019』を発表。

写真:池谷友秀

黒田育世(くろだ・いくよ)

BATIK主宰振付家・ダンサー。6歳よりクラシックバレエを始め、97年渡英、コンテンポラリーダンスを学ぶ。02年BATIKを設立。バレエテクニックを基礎に、身体を極限まで追いつめる過激でダイナミックな振付は、踊りが持つ本来的な衝動と結びつき、ジャンルを超えて支持されている。03年トヨタコレオグラフィーアワード「次代を担う振付家賞」「オーディエンス賞」、04年「朝日舞台芸術賞」、06年「舞踊批評家協会賞」、10年「第4回日本ダンスフォーラム賞」、15年「第9回日本ダンスフォーラム賞」を受賞。BATIKでの活動に加え、金森穣率いるNoism05、飴屋法水、古川日出男、笠井叡、野田秀樹、串田和美など様々なアーティストとのクリエーションも多い

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