東京芸術祭 2018

『空は翼によって測られる』El cielo se mide por alas

[ 振付・演出 ] メルラン・ニヤカム
[ 出演 ] SPAC-ENFANTS(スパカンファン、静岡県の中高生のダンスかんぱにー)

『空は翼によって測られる』El cielo se mide por alas

 

あのバオバブの木の下で、一瞬いのちが輝き、また土のなかへと還っていく
小さな生き物にはその一瞬も、果てしなく長い時間
果てしのない空の下、天使も悪魔も翼を広げ、一心不乱に駆けていく


 この作品は私たちが生きている世界の縮図です。天使的なことも、悪魔的なことも起こります。
 ダンスや歌や演劇には、今の世界で見えにくくなっていることを見せる力があります。私たちのチャレンジは、みなさんにこの力を、そしてそこから生まれる希望を体感してもらうことです。子どもたちはかつてないほど、未来への希望を必要としているのです。
 忘れてはいけません。子どもたちこそ、私たちの未来なのです。

ー メルラン・ニヤカム


 舞台の上に大きくそびえるバオバブの木。バオバブは生き物にいのちを与え、いのちはいずれバオバブのもとへと還っていく。その下で踊る子どもたちは、バオバブから旅立っていくのだろうか。それともそこに戻ってきたのだろうか。

 すごく遠くから来た人が、希望を持ってきてくれることがある。
 カメルーン出身の振付家メルラン・ニヤカムは、2010年に静岡の中高生とダンス作品をつくる「スパカンファン・プロジェクト」をはじめるとき、「子どもが大人に、人生で一番大事なことを教えられるような舞台を作りたい」と語っていた。日本の子どもたちがアフリカの子どもたちと同じくらいお尻を振って踊ってくれるようになったらいいね、などと言っていたら、今ではアフリカの子どもも顔負けなくらいに堂々と踊れるようになってしまった。

 この中高生と同じくらいの年頃に、ニヤカムはカメルーン国立舞踊団のダンサーとして、言葉の通じないカメルーンの村々を回って、各地の伝統的なダンスを採集してきた。踊りがあれば、言葉の違いも乗り越えられる。そんな経験があったから、静岡の子どもたちとも体一つで向き合えるのだろう。

 携帯電話、インターネット、テレビゲーム等々、体が触れ合わないコミュニケーションが急速に増えた今、子どもたちは体を通じたコミュニケーションに臆病になってしまっている。でもニヤカムに出会って「日本の遊びを教えて」と言われ、手をつないでハナイチモンメをやってみると、びっくりするほど夢中になった。

 その夢中さがあれば、人はいろいろできるようになるものらしい。ダンスをやっていたりいなかったりする中高生が、ニヤカムと過ごす夏を重ねるごとに、一時間以上にわたって観客を魅了する表現者に成長していく。

 思えば日本の子どもたちだって、書道やそろばんからバレエやヒップホップまで、驚くほどに世界中あちこちの文化を、毎日体当たりで学んでいる。ヒトができることなら自分もできるはず、と信じて。そんな「同じ体」をもつことへの信頼が、手をつないだり見つめ合ったりしてみることで、ずっと大きく育っていく。

 そうして翼が生えた子どもたちの体が、世界を測る新たな基準となって、新しい世界を、「人生で一番大事なこと」を大切にできる世界をつくっていってくれるのかもしれない。


 終演後、出演者たちと一緒に舞台上で踊れる交流の時間がございます。ダンス経験不問です! 体がすごく動いてしまう方も、あまり動かない方も、ぜひご参加ください。

 

プログラム詳細

  • 会場
    あうるすぽっと
  • 日程

    11月3日(土) 15:00
    11月4日(日) 13:00
    ※受付開始、ロビー開場は開演の60分前、客席開場は15分前

  • 上演時間

    75分

  • 上演言語

    ノンバーバル(一部、日本語)

  • ジャンル
    東京芸術祭直轄プログラム, ダンス, 国際共同制作, 無料で楽しめる

チケット

  • 自由席
    無料(要予約)


※受付にて入場整理券を配布いたします(先着順)
※車いす席、3歳以上の未就学児との観劇をご希望の方は随時お問い合わせください(東京芸術劇場ボックスオフィス TEL:0570-010-296 [10:00~19:00、休館日を除く] )


▼チケット取扱い・予約受付 【東京芸術劇場ボックスオフィス】
・電話 0570-010-296(休館日を除く10:00〜19:00) ※一部携帯電話、PHS、IP電話からは、ご利用いただけません。
・窓口 営業時間10:00〜19:00 (休館日を除く)
・WEB 東京芸術祭2018 チケット特設サイト ※24時間受付(メンテナンスの時間を除く)

主なアーティスト

  • 振付・演出
    メルラン・ニヤカム
  • 振付アシスタント
    太田垣悠、佐川健之輔
  • 出演
    SPAC-ENFANTS(静岡県の中高生のダンスかんぱにー)
    池ヶ谷優希、岩田麻緒、岡村桃果、勝間田里絵、金森萌倭、金子綺莉、鈴木舞子、永田茉彩、西出一葉、伏見彩花、宮城嶋開人、渡邉茉奈
    ※五十音順

アーティストプロフィール

メルラン・ニヤカム

Merlin Nyakam

 振付家、ダンサー、歌手、俳優、ラ・カルバス・カンパニー主宰(Compagnie La Calebasse)。アフロ・コンテンポラリーダンスを牽引するアーティストの一人。西洋的な枠組にとらわれず、アフリカ内外の多様な文化に関する知見をもとに、より自由で、より多くの人を巻き込めるようなダンスの形態を探求している。
 14歳でカメルーン国立舞踊団に入団、16歳で首席ダンサーとなり、各地の伝統舞踊を学ぶ。1990年にラ・カルバス・カンパニーを立ち上げ、91年金の穂賞、最優秀ダンサー賞などを受賞。92年よりフランスに拠点を移し、クラシック・バレエ、ジャズダンス、ヒップホップなどを学んで、フランスで絶大な人気を誇るモンタルヴォ・エルヴュ・カンパニーの多くの作品で強烈な印象を残す。振付家としても活躍し、代表作の『遊べ! はじめ人間』は「Shizuoka春の芸術祭」(2007年、08年)でも上演された。14年には、20年ぶりに母国カメルーンで『ダンシング・アフリカ』を創作し「ふじのくに野外芸術フェスタ2015」で上演、アフリカでの活動も増えている。10年よりSPAC-ENFANTSプロジェクトを手がける。
http://www.lacalebasse.org/


◆SPAC-ENFANTSとは

 SPAC-ENFANTS(スパカンファン、ENFANTS=フランス語で「子どもたち」の意味)はオーディションで選ばれた静岡県の中高生と共に新しい舞台を創造する、SPAC - 静岡県舞台芸術センターによる国際共同製作プロジェクト。フランスを拠点に国際的な活動を展開する振付家・ダンサーのメルラン・ニヤカムを迎え、世界に通用するメッセージを持ったダンス作品を目指し、2010年より始動。プロジェクト第一作目の『ユメミルチカラ/タカセの夢』は、「ふじのくに⇄せかい演劇祭」ほか国内各地での公演や、ニヤカムの故郷カメルーンなど海外公演も実現。
 二作目となる『ANGELS』は15年に創作を開始。16年、17年に静岡での公演を経てさらに磨きをかけ、この度『空は翼によって測られる』として満を持して東京芸術祭に登場。

http://spac.or.jp/spac-enfants 

リンク:「ANGELSを見ながら、カメルーンみたいな日本と世界を夢想する」/横山義志(東京芸術祭直轄事業ディレクター/SPAC-静岡県舞台芸術センター文芸部)

メディアディレクション:ニシモトタロウ、松尾邦彦、小柳淳嗣
舞台装置デザイン(バオバブの木):鈴木里恵
照明デザイン、照明・映像操作、舞台監督:樋口正幸
音響デザイン・操作:原田忍
衣裳:清千草
演出部:若宮羊市
制作部:髙林利衣、佐藤亮太

チケット担当:東京芸術劇場

東京芸術祭 総合ディレクター:宮城聰
東京芸術祭 直轄事業ディレクター:横山義志

 

〈東京芸術祭直轄プログラム〉
主催:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
共催:あうるすぽっと(公益財団法人としま未来文化財団)/SPAC - 静岡県舞台芸術センター

 

  

    

 

平成30年度 文化庁 国際文化芸術発信拠点形成事業
(豊島区国際アート・カルチャー都市推進事業)